
フォアキャスティングとバックキャスティング
未来を思考する方法は2つあります。
ひとつは、現在の延長線上に未来を描く思考法。これを「積み上げ思考(フォアキャスティング)」と言います。
もうひとつは、未来の理想を思い描き、そこから現在にさかのぼる思考法。これを「未来逆算思考(バックキャスティング)」と言います。
未来の問題に向き合うには、2つの思考をうまく使い分けることが大切です。
日本科学未来館の展示パネルにあったフォアキャスティングとバックキャスティングの説明です。
SDGsは、現在のリソースからどんな改善、取り組みができるのかを考え、改善策を積み上げていくフォアキャスティングではなく、こうあるべきという未来の姿を描いた上で、改善策を考える未来逆算思考(バックキャスティング)で作られています。
フォアキャスティングとバックキャスティングはどちらの思考が良いという対立関係にあるものではなく、ケースバイケースでそれぞれの良さを活かすべきものです。
フォアキャスティングが総論賛成各論反対を引き起こす
ただ、SDGsがバックキャスティングによって作られ、そのゴールがこれまでの世界が実現したことのない高く、野心的な目標であることから、企業がSDGsに取り組もうとした際、総論賛成各論反対的な事態になることが多く見られます。
SDGsの達成が社会にとって必要なことはわかった。会社にとっても大切な取り組みであることもわかった。でもどうすればそんな高い目標を達成できるのか、方法がわからないし事例も乏しい。無理だ。
こんな思考でなかなかSDGsへの取り組みが前に進まないということが起きるのです。これはこの思考がフォアキャスティングだからです。
経営トップのサステナビリティ志向が成功の鍵をにぎる
企業がSDGsに取り組むの当たっては、バックキャスティングも取り入れて経営戦略を考え、社内に浸透させていかなくてはなりません。
そのためには経営トップやリーダーがSDGsやの重要性を十分に理解し、サステナビリティ志向を持つことが必要です。組織は社長の器以上に大きくならないと言われます。経営トップがサステナビリティ志向をもってリーダーシップを発揮することで、SDGsへの取り組みは前進します。