エシカル消費と企業の対応

SDGsゴール12「つくる責任つかう責任」と「エシカル消費」

SDGs(持続可能な開発目標)達成に向けた取り組みが拡大してきていますが、組織や個人を問わず、誰にでも取り組むことができるのが12番めのゴール「つくる責任つかう責任」です。

私たちは毎日何かしらの商品やサービスを購入して消費していますが、持続可能な社会の実現のために、消費者としての責任を果たそうというのが「つかう責任」です。

そしてこの「つかう責任」に直結した消費トレンドが「エシカル消費」です。

エシカル消費は持続可能な社会へのムーブメント

エシカル(ethical)は、「倫理的な」という意味です。「エシカル消費」とは倫理的・道徳的に正しい消費、悪いことではなく善いことにつながる消費、人として良識的な消費、といったような意味で、消費者が人・社会・環境・地域・動物などに配慮した商品やサービスを選択し、購入、消費することです。

現代の社会は私たちの消費によって成り立っています。消費は人・社会・環境・地域・動物などに大きな影響を与えます。私たちが消費するものは膨大な数の部品で作られているクルマなどは言うまでもなく、コンビニで売っているおにぎりやペットボトル飲料、スーパーのサンマも、あらゆるものが多くの人や国や資源などが関わっています。商品だけではなくサービスもしかりです。

大量生産・大量消費、グローバル化、新興国の経済成長などによって、こうした関わりと規模はますます拡大していますが、一方でそれが多くの問題を発生させています。労働環境、資源の枯渇、環境破壊、貧富の格差等々、SDGsにおいても消費が一因となっているゴールがいくつもあります。

まさに私たちの消費は社会の持続可能生に直結しているわけですが、そのことに気づいた人たちの間で、消費を変えることで社会を変えようというムーブメントが起きています。それがエシカル消費です。そして持続可能性とのつながりからサステナブル消費とも呼ばれています。

このエシカル消費への関心は年々高まっており、以下のようにGoogleの検索数の推移を見ても、その傾向がわかります。

「エシカル消費」検索数の推移

エシカル消費の対象とその効果

ではエシカル消費によってどのような社会課題の解決が図られるのでしょうか。

最もエシカル消費としてわかりやすいのは「フェアトレード(公正な貿易・取引)」ではないでしょうか。フェアトレードは発展途上国の小規模農家などが生産する作物などを、適正で公正な価格で購入して彼らを支援しようという活動です。

不公正な価格で、立場の強い買い手が弱い立場である小規模生産者から生産品を買い叩くような構図によって、劣悪な環境での強制労働、児童労働、不適切な資源利用、環境破壊といった問題が発生しています。適切で公正な価格で購入するフェアトレードによってこうした社会課題の解決が図られます。

フェアトレード以外のエシカル消費の対象としては、自然エネルギーの利用、省エネ低酸素製品、オーガニック、地産地消、寄付がついた商品、障害者が作った製品、伝統工芸、動物実験や毛皮など動物に配慮した製品などがあります。いずれも人や社会、環境、動物などに関連した社会課題の解決につながっています。

エシカル消費と認証ラベル

こうした社会課題の解決につながるエシカル消費ですが、消費者にとって多くの商品の中からエシカル商品を見つけるのは簡単なことではありません。そんな中で一つの判断基準となりうるのが認証ラベルです。

認証ラベルはその商品が一定の基準を満たしたことを第三者機関が認めたことを証明するラベルです。ただし、各認証ラベルが保証しているのは、限られた側面だけであることに注意が必要です。環境面の保証はしていても労働や人権面の保証はしていない等です。

あくまでも一つの目安として活用すべきものです。

エシカル消費に関連する認証ラベルの例

エシカル消費と企業

今後、持続可能な社会の実現に向けた動きの活発化、機運の高まりでエシカル消費のトレンドはますます高まっていくことは間違いありません。では企業はエシカル消費に対してどのように向き合うべきでしょうか。

企業にとってエシカル消費はリスクと機会の両面があります。

企業にとってのリスク

エシカル消費の高まりによって、企業は業績にも大きな影響を与える恐れのあるネガティブな影響を受けるリスクが高まっています。

法令違反のような問題は言うまでもなく、法令には違反していなくても「時代に逆行している」「モラルに反している」といったこともエシカルではないと評価される可能性があります。エシカルではないと評価された企業の商品やサービスは消費者に選ばれなくなります。

競合他社との関係においても、自社よりもエシカルな商品やサービスを市場に投入されれば競争力を失うというリスクもあります。

さらに今はネガティブなことはSNSによってあっという間に拡散します。そして対応次第によってはいわゆる炎上に発展することもあります。これも大きなリスクとなります。

企業にとっての機会

一方、エシカル消費は企業にとっては大きなチャンスでもあります。企業のイメージアップ、新しい市場や顧客の開拓、シェアの拡大、新商品・新規事業の創出などです。

エシカルではないという評価とは逆に、エシカルであると評価されることは企業イメージを向上させ、消費者に選んでもらえ、業績アップにつながる可能性があります。

また一般消費者だけではなく、エシカル消費という企業にとっての環境の変化は、その変化に対応したサポートビジネスを創出する機会でもあります。企業がエシカル消費への対応を迫られる中で必要とされるサポートは、大きなビジネスに成長する可能性があります。

ネガティブな面ではリスクとのなるSNSは、一方で企業にとっては大きな頼れる武器になり得ます。それはエシカル消費で企業が成功するかどうかの大きなカギを握っているのは、消費者に共感されるのか否か、という要素であり、SNSは共感を生み出すツールとして有効に働くからです。

エシカル消費を企業の業績アップにつなげるためにはSNSの活用がとても重要となります。

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