ものを大切にする心

ものを大切にする心

これは言うまでもなく、限りある資源を有効に使い、後に続く世代も豊かに暮らすためには絶対に必要なことです。
ゴミの削減やリサイクルといったエコ活動が拡がってはいますが、使い捨てが当たり前の時代。そんな中でも子供たちにしっかりと伝えていきたい、とても大切な心です。

ではどうすればものを大切にする心を育めるのでしょう?

私は、ものを大切にする心を育む一つのヒントは「愛着」にあるのではないかと思います。

長い年月を一緒に過ごしてきたもの。その年月が長ければ長いほど愛着は深くなります。
愛着の品は他人から見たら何の変哲のないものであっても、本人にとっては世界に一つしかない、かけがえのないもののはずです。
使い手に気に入られ、使い手の人生に寄り添って共に歩んできたものは、その人にとっては特別な存在です。

そんな人生のパートナーとも言える愛着の品を持っている人は、自ずとものを大切にするのではないかと思います。

では愛着を持って長く使ってもらえるものとはどんなものでしょうか?

私は「経年変化」と「再生」に注目します。

経年変化は文字通り、年月と共にものが変化していくことです。
摩耗、変色、形状の変化、傷つきなど、通常は「劣化」と捉えられますが、時間が経つにつれて風合や質感などが変化して、新しい時にはなかった魅力が出てくるものもあります。
特に皮革や木材、デニムなどは経年変化が楽しめる素材です。世界にただ一つ。自分だけのものとして「育てる」楽しみがあるのです。
長く使い込むことによって、単に古くなるのではなく、魅力を増すようなものには愛着を持ってもらえると思います。

そして、長く使って古くなっても汚れを落としたり修繕したりして、新品同様に「再生」して使い続けられるものもあります。古くなったら買い換えるしかないというものよりも、再生して使い続けられるものであれば、より愛着を持ってもらえると思います。

同じ用途のものでも、素材によっては経年変化を楽しんだり、再生できないものもあります。
経年変化を楽しめる。再生させて長く使える。
こういった視点でものを選ぶことが、愛着につながり、ものを大切にする心を育むことにもなると思います。

今、3Dプリンターのように比較的簡単にものがつくれるようになっています。新しいアイデアが形になって生活がより良くなるのは悪いことではありませんが、それは次々とものを買い換えていくということでもあります。
新しいアイデアや技術を生活に取り入れながら、一方ではものを大切にする心を持って、経年変化を楽しみながら、時には再生しながら一つのものを長く使う、そんなバランスのとれたライフスタイルが拡がり、次世代につながっていけばいいなと思います。

About the author: 株式会社きれい代表取締役 柴田幸治

メーカー勤務後、経営コンサルタントとして2000年に独立起業。 旺盛な好奇心とちょっと変わったアイデア、幅広い人脈で、販売数100万個を超えるヒット商品や、海外のコンテストで世界一を獲得した商品などをプロデュース。 秋田と東京に拠点を置き、全国を飛び回って企業経営のお手伝いと新ビジネスのプロデュースをしています。 日々の実践や気づきを記事にして発信しています。みなさまのビジネスのヒントになれば幸いです。