日本酒の高級志向・本物志向のトレンドと新しい作り手

最近、日本酒の品揃えを売りにする居酒屋や料理屋が増えたり、こだわりの酒造りをしている蔵元が話題になったり、日本食ブームで海外への輸出が増えたりと、日本酒がなんとなく元気な気がしませんか?

私は以前、ある蔵元でコンサルとして新しい商品のプロデュースをしたことがあります。その時に日本酒を勉強して唎酒師の認定までとってしまいました。個人的にも日本酒は好きですし、仕事でも関わったことから日本酒のトレンドは気になっています。

国税庁が発行している「酒のしおり」を見ると、お酒の消費量は平成8年をピークに多少持ち直す年はあるものの、基本的には右肩下がりで減少しています。人口減少や高齢化、加えて特に若者の酒離れも進んでいることから、この傾向はまだ続きそうです。

日本酒はというと、元気な話題はあるもの、こちらの消費量も減少の一途なのです。
しかし減少の中身を少し詳しく見て見ると、実は減少しているのは日本酒の多くを占めている比較的安価な普通酒であって、比較的高価な「特定名称酒」は堅調に増加しています。

特定名称酒とは8種類あります。
吟醸酒・大吟醸酒

純米酒・特別純米酒
純米吟醸酒・純米大吟醸酒

本醸造酒
特別本醸造酒

これらの違いを理解するには、ちょっとしたコツがあります。
区別のポイントとなるのは、
・精米歩合
・醸造用アルコール
・特別な醸造方法
この3つを抑えれば楽勝です。

まず精米歩合です。
精米歩合というのは原料のお米を削った後(精米した後)の白米部分の割合です。40%削ると精米歩合は60%ということです。
一般的にお米を削るほど吟醸香というフルーティな香りのお酒になります。また値段も高めになります。

次は醸造用アルコールです。
これは簡単に言うと米や糖蜜やとうもろこしを発酵させ、焼酎のように蒸留して作られたアルコールです。
香味の調整や防腐などの目的で添加されます。コストを抑えるという目的でも使われます。

3つ目は特別な醸造方法です
これは、たとえば無農薬栽培のお米を使っているとか、木槽で搾っているとか、低温熟成とかです。明確な決まりはないので蔵元の裁量に任されています。

では違いの解説です。

・吟醸酒の「大」
「大」がつけば精米歩合50%以下、大がつかなければ精米歩合60%以下です。

・「純米」
「純米」とついていれば、醸造用アルコールは使用していない。純米とついていなければ基本的に使用しています。

・「特別」
「特別」とついていれば、精米歩合60%以下で特別な醸造方法で造っている。

・「本醸造」
精米歩合70%以下です。

これからお店で日本酒を選んだり味わう時に役に立ちますので、ぜひ知っておいてください。

最近の市場動向で堅調な伸びを示しているのが、吟醸酒と純米酒です。本醸造は普通酒と同様に減少しています。
高級志向、本物志向がここにも表れているのです。

日本酒は日本の大切な文化です。その醸造技術も先人たちから受け継がれてきた貴重な財産です。
秋田県においても5つの酒蔵の若い後継者の方々がNEXT5というグループを作って魅力的な酒造りに取り組まれています。
伝統を守りながらも新しいライフスタイルにあった日本酒が生み出されてくることが楽しみです。

About the author: 株式会社きれい代表取締役 柴田幸治

メーカー勤務後、経営コンサルタントとして2000年に独立起業。 旺盛な好奇心とちょっと変わったアイデア、幅広い人脈で、販売数100万個を超えるヒット商品や、海外のコンテストで世界一を獲得した商品などをプロデュース。 秋田と東京に拠点を置き、全国を飛び回って企業経営のお手伝いと新ビジネスのプロデュースをしています。 日々の実践や気づきを記事にして発信しています。みなさまのビジネスのヒントになれば幸いです。