使いやすい・わかりやすいはお客さまを大切に思う姿勢の表れです

我が家にはメーカーが異なるブルーレイレコーダーが2台あります。一台は数年前に、もう一台は一年ほど前に購入したものですが、新しい方の機種がストレスになっています。

原因はリモコンです。
使いにくいのです。
わかりにくいのです。

いつも使うボタンはだいたい決まっているのですが、毎回のように目的のボタンを探してしまいます。
それでも時々押し間違えます。

古い機種はそんなことはありません。
長く使っていて慣れたのではと思われるかもしれませんが、後に購入した方も一年以上も使っています。

慣れないのです。

新しい機種を購入する時、それまでリモコンに対して不満はなかったので、特にリモコンはチェックしませんでしたが、これほどの違いがあるとは正直驚いています。

実は、私は事務機器メーカーのサラリーマン時代に使いやすい・わかりやすいユーザビリティの評価、研究をする部署にいたことがあります。
なのでこうした使いにくい・わかりにくいものに対しては、ちょっとうるさいのです。

当時は事務機器、特にコピー機は機能競争になっていました。他社との激しい競争の中で、一つでも多くの機能を付けて差別化する必要がありました。
そしてデジタル化によってさらに多くの機能が付けやすくなり、ますます傾向に拍車がかかっていました。

一方でお客様からは、ボタンが多くてわかりにくい、ボタンの意味がわからない、思った通りにコピーできないといった不満も出始めていました。また機能が増えることで取り扱い説明書も分厚くなり、内容も難しくてよくわからないという問題も起きていました。
会社はこうした状況に危機感を感じて専門の部署を立ち上げました。そして当時の私は営業でしたが、この部署に配属されて評価、研究をすることになったのです。

被験者に機器を操作してもらい、目的の操作が間違いなくできるかを観察、分析し、どこで迷うのかや間違うのかを調べ、それをデザイナーや開発担当などと一緒に解決していくというようなことをしていました。

使いやすさ・わかりやすさと言っても、そこには実に多くの要素がからんでいます。
ボタンの大きさ、色、形状、位置、名称、使われている用語などのデザインから、認知といった心理学的なものまで多岐に渡ります。

リモコンの話に戻りますが、以前機器の評価をしていた頃を思い出して両方のリモコンを比べてみると、いろいろなことが見えてきます。
本体の形状、ボタンの数、大きさ、位置、使われている用語が、私が使いやすいと感じるリモコンの方がよく考えられ作られていることがわかります。

使いやすさ・わかりやすさというのはカタログのスペックには表れにくいものですが、お客様の手に渡って使われた時にそれは厳しく評価されます。そしてよくない評価をされた場合は、お客様の満足度に大きく影響し、ひいては売り上げにも影響します。

使いやすさ・わかりやすさの重要性は何も機械に限ったことではありません。ものづくり全てに重要なことだと思います。

使いやすさ・わかりやすさは、メーカーがどれほどお客様を大切に考えているかという姿勢の表れとも言えます。
ものづくりをする方には、使いやすいか・わかりやすいかを常に意識し、作り手の評価ではなくお客様の評価でより良いものを作ってていただきたいと思います。

About the author: 株式会社きれい代表取締役 柴田幸治

メーカー勤務後、経営コンサルタントとして2000年に独立起業。 旺盛な好奇心とちょっと変わったアイデア、幅広い人脈で、販売数100万個を超えるヒット商品や、海外のコンテストで世界一を獲得した商品などをプロデュース。 秋田と東京に拠点を置き、全国を飛び回って企業経営のお手伝いと新ビジネスのプロデュースをしています。 日々の実践や気づきを記事にして発信しています。みなさまのビジネスのヒントになれば幸いです。