先人の残した遺産が今を生きる人たちの愛によってお宝となった

天守が国宝に指定されているお城は犬山城、松本城、彦根城、姫路城、松江城の5つです。

島根県松江市の松江城は、昨年国宝に指定されたばかりで、ニュースなどでもだいぶ取り上げられましたので、記憶に新しいところかと思います。

今回島根県を訪れる機会に恵まれましたので、松江城を見学してまいりました。

昨年彦根城、姫路城と訪れましたが、松江城天守の大きさは彦根城よりは大きく、姫路城よりは小さいといった感じです。
千鳥城という別名がついているように、鳥が羽を広げたようなのびのびとして優雅な雰囲気があります。
急な階段を登って天守最上部まで行くと、見事な眺めが広がっています。遠くには宍道湖も見えます。

今回、松江城が国宝に指定された経緯にはなかなか興味深いものがあります。

昭和10年に国宝に指定された松江城は、昭和25年に新しい法律により国宝から重要文化財に、言わば格下げされています。
その後、地元からは何度も国に対し国宝指定の陳情が繰り返されますが、国宝指定には至りません。
文化庁からは「新知見の発見」が求められていました。
新知見の発見につながるのが、松江城がいつ築城されたのかという資料でした。それになりうるのが、昭和12年の調査では確認されている天守完成年である「慶長16年」が記されている祈祷札でしたが、行方不明になっていました。
松江市では懸賞金までかけて祈祷札を探し、ついに松江神社で発見に至ったのです。
松江城の柱の釘穴と祈祷札の釘穴も一致し天守創建年が確定されました。
この他にも様々な史料によって歴史的価値が高まり、今回の国宝指定になったというわけです。

国宝指定に至る経緯にはこんな執念ともいえる地元の取り組みがあったのですね。

かつての先人が残してくれた財産が、今を生きる人たちの熱意と地元愛によって現代の価値となり、地域を魅力あるものにしている。松江とはそんな町だと思いました。

投稿者プロフィール

株式会社きれい 代表取締役 柴田幸治
大手光学機器メーカー勤務後、経営コンサルタントとして2000年に独立起業。
旺盛な好奇心とちょっと変わったアイデア、幅広い人脈で、販売数100万個を超えるヒット商品や、海外のコンテストで世界一を獲得した商品などをプロデュース。
4つのきれい(くらし・かんきょう・からだ・こころ)を基にした独自のメソッドで、企業のCSR・商品開発・マーケティングを支援しています。