350年続く三越とギリシャの神ヘルメスとの関係

三越といえば言わずと知れた日本を代表する百貨店の一つです。
1673年創業の呉服店の越後屋がそのルーツで、なんと350年近く営業している企業です。

大正時代に建てられたスネッサンス様式の日本橋本店は国の重要文化財になっていて、ショッピングしながら歴史的な建築も楽しめる建物です。
正面玄関にはライオン像があることで有名ですが、玄関上にギリシャの神ヘルメスの像があることはあまり知られていません。
ヘルメスはフランス語で「エルメス」と発音しますが、いわゆる有名ブランドのエルメスが設置したわけではありません。

ヘルメス像は右手を高く上げ、左手にはケーリュケイオンという杖を持っています。帽子と両足首には翼がついています。
ケーリュケイオンは2匹の蛇が杖に巻き付いていて、こちらにも翼がついています。
(医療のシンボルであるアスクレピオスの杖と似ていますが、こちらは蛇は1匹です。)

ところで、なぜ三越にヘルメス像があるのでしょうか。

ギリシャ神話によれば、ヘルメスは生まれてすぐにアポロンの牛を盗み、それが発覚すると自分が作った竪琴と牛を交換して許してもらっています。アポロンと必要なものを交換したことでヘルメスは商業の神となります。

三越は日本で新しいデパートという形態の商売を進めていくに当たって、その先進地である西洋からデパート文化を取り入れました。
その一つの形として日本橋三越本店をルネッサンス様式の建築やアール・デコ調の内装で作ったのですが、建物という箱だけではなく、西洋の神様の力も借りて商売を繁盛させたいという思いがあったのではないでしょうか。形だけ取り入れても魂がなければ成功しないという考えがあったのかもしれません。

実は日本橋三越本店の屋上には神社があります。
三圍神社と活動大黒天という江戸時代から庶民に親しまれ愛されている神様が祀られています。

日本の神様と西洋の神様。
お客様にご愛顧され350年近くも続いているのは、こうした背景もあるように思います。

投稿者プロフィール

株式会社きれい 代表取締役 柴田幸治
大手光学機器メーカー勤務後、経営コンサルタントとして2000年に独立起業。
旺盛な好奇心とちょっと変わったアイデア、幅広い人脈で、販売数100万個を超えるヒット商品や、海外のコンテストで世界一を獲得した商品などをプロデュース。
4つのきれい(くらし・かんきょう・からだ・こころ)を基にした独自のメソッドで、企業のCSR・商品開発・マーケティングを支援しています。