農薬も肥料も使わない自然栽培という選択肢に期待しています

木村秋則氏というお名前を知らなくても、「奇跡のリンゴ」というと思い出す方は多いのではないでしょうか。

少し前のことになりますが、木村氏のリンゴ栽培への取り組みはNHKのプロフェッショナルに取り上げられたり、2013年には阿部サダヲさん主演「奇跡のリンゴ」で映画化されるなどして、世の中に知られるようになりました。

なぜ木村氏が作るリンゴは「奇跡」と呼ばれるようになったのか。それは農薬を使わないリンゴ栽培を実現したからです。

私はこのことを初めて耳にした時、なぜ農薬を使わない栽培が奇跡と呼ばれるほど難しいことなのか、不思議に思いました。農薬を使わなくても手間をかければ作れるんじゃないの、ぐらいに考えていました。

しかし木村氏の栽培方法に詳しい友人から教えてもらって、合点がいきました。

それは、我々が食べているリンゴというのはたくさん収穫でき、より大きく、より甘くと品種改良が重ねられたもので、そこには農薬と肥料を使うということが前提としてあるからです。
リンゴは農薬と肥料で育てる、リンゴ農家の間ではこう言われるぐらい農薬と肥料を使わないと品種改良されたリンゴを栽培することは難しいということなのです。

本当に農薬も肥料も使わずに美味しいリンゴが作れるのか、今でも懐疑的な意見は多いようですが、今回その点は横に置いて、農薬も肥料も使わない「自然栽培」と呼ばれてる栽培方法について、ご説明しようと思います。

前に取り上げた「有機栽培」との大きな違いは、
有機栽培は、天然由来の特定の農薬と堆肥などの有機肥料の使用は認められていますが、「自然栽培」はそういった農薬も肥料も使わない点にあります。

自然の力を活かす農法と言ってよいでしょう。
土を活かして、微生物を活かして、益虫を活かして、植物本来の力で栽培する方法です。

まだまだわずかですが、自然栽培に取り組む農家さんが少しづつ増えているようです。専門のお店や、自然栽培の食材を使ったレストランなども出てきていますね。

私は個人的には有機栽培、自然栽培のものを好みますが、農薬や肥料を使う既存の慣行栽培を否定しません。現状、慣行栽培を否定して成り立つ社会ではないと思うからです。ただ消費者にとって選択肢が増えることは良いことです。自分が好きだと思うものを選んで買えるというのが、社会の知恵を人々の幸せに活かすことだと思います。

そういう意味で、流通、コスト、安定した収穫など課題が多い自然栽培ですが、取り組む人が増えて早く消費者の選択肢の一つとして確立されることを期待しますし、私も関わっていきたいと思っています。

投稿者プロフィール

株式会社きれい 代表取締役 柴田幸治
大手光学機器メーカー勤務後、経営コンサルタントとして2000年に独立起業。
旺盛な好奇心とちょっと変わったアイデア、幅広い人脈で、販売数100万個を超えるヒット商品や、海外のコンテストで世界一を獲得した商品などをプロデュース。
4つのきれい(くらし・かんきょう・からだ・こころ)を基にした独自のメソッドで、企業のCSR・商品開発・マーケティングを支援しています。

NPO法人ウルシネクスト理事長