根津美術館から見える成功のキーワードとは

東京の南青山の根津美術館を初めて訪れました。

たまたま見かけた「江戸のダンディズム」という展覧会のポスターに惹かれてやって来ました。

展示内容は刀剣や拵(こしらえ:柄と鞘、鍔や額縁、各所の金具、腰に帯びるための糸や革などの総称)、印籠などでした。
太平の世となった江戸時代は刀剣や拵は個性を表現するこだわりアイテムとしての意味合いも強くなり、様々なデザインや手の込んだ細工など華やかなものが出現しました。

刀身を完全に貫通して両側に透し彫りを入れた刀剣や、漆芸、金工などの匠の技、金銀、玉、象牙など贅沢な素材を使った拵、印籠など、これらのアイテムを眺めていると江戸時代の伊達男たちの自慢げな顔が浮かびました。

江戸時代のダンディな男たちに加え、私が今回興味をもったのはここ根津美術館設立の元となった根津嘉一郎という人物でした。根津美術館は氏の収集品の保管、展示を目的につくられた私立の美術館で氏の私邸跡です。

収集品は現在、国宝7件、重要文化財87件、重要美術品94件、他7,000件を超えます。
当然かなりの財力があったわけですが、いったいどんな人なんだろうと興味を持ちました。

根津嘉一郎氏は1860年山梨県生まれ。東武鉄道や南海鉄道など鉄道インフラに情熱を傾け鉄道王と呼ばれ、他にも多くの会社に関わっています。
「社会から得た利益は社会に還元する義務がある」という信念の持ち主であったようで、現在の武蔵大学も設立しています。

また氏は青山と号した茶人でもありました。氏の私邸跡である美術館には広大で緑豊かな日本庭園がありますが、茶室がいくつもあり、また収集した美術品の中に茶の道具が多いのもうなずけます。

茶人ということで、穏やかな人かと思いましたが、なかなか気性は激しく敵も多かったようです。

明治から昭和にかけての大実業家には、公共の事業で社会への貢献に取り組む一方、芸術や文化に造詣が深く文化人としても一流という人が多いように思います。

世のため人のため、そして芸術や文化で己を高める、成功のキーワードですね。

投稿者プロフィール

株式会社きれい 代表取締役 柴田幸治
大手光学機器メーカー勤務後、経営コンサルタントとして2000年に独立起業。
旺盛な好奇心とちょっと変わったアイデア、幅広い人脈で、販売数100万個を超えるヒット商品や、海外のコンテストで世界一を獲得した商品などをプロデュース。
4つのきれい(くらし・かんきょう・からだ・こころ)を基にした独自のメソッドで、企業のCSR・商品開発・マーケティングを支援しています。