サプライチェーンと認証制度

持続可能な原材料に関する認証制度とは

FSCマークがついたダンボール箱や紙製容器などを見たことがあると思います。

FSC(森林管理協議会)は、森林および森林から切り出された木材の流通や加工のプロセスを認証する国際機関です。このマークがついた製品は、

  1. 森林の環境保全に配慮し
  2. 地域社会の利益にかない
  3. 経済的にも継続可能な形で生産された木材

を使った製品であることが客観的に認証されているのです。

森林認証以外にも持続可能な原材料に関する認証制度は、

  • 水産物認証のASCやMSC
  • パームオイル認証のRSPOやPOIG
  • フェアトレード認証のFLO

などがあります。

認証制度が求められる背景

こうした国際的な原材料の認証制度の背景には、サプライチェーンの問題があります。

製造業はもちろん、流通業、サービス業、IT企業であっても、事業を行うにはサプライヤー(仕入先)から資材を調達しています。サプライヤーはさらに上流のサプライヤーから資材を調達するという形で、最終的には最上流の原料にたどり着きます。こうしたサプライヤーの連なりをサプライチェーンと呼びます。

かつて、スポーツメーカーのナイキはサプライチェーンの問題で大きな打撃を受けたことがあります。製造を委託していた東南アジアの工場で、低賃金労働、劣悪な環境での長時間労働、児童労働、強制労働が発覚したことから、世界的な不買運動が起こりました。

また、バングラディッシュで起きたビルの崩壊事故では1,000人以上が死亡しましたが、このビルは倒壊の恐れがあると当局から指摘されていたにも関わらず、強制的に働かされていた人々が被害にあいました。このビルには縫製工場が入っていて、多くの欧米のアパレル企業の委託先となっていたことから、安い人件費で労働力を搾取していた企業に批判の声が起きました。

これらのケースは自社ではなく委託先だからと言って、責任を免れることはできないということを明らかにしました。

こうしたサプライチェーンにおける責任の問題は、労働だけではなく環境や地域社会への影響など多岐に渡りますが、最終的なブランドを持った企業が、最上流のサプライヤーまで遡ってチェックするには、膨大な手間とコストがかかります。

そこでFSCなどの原材料の認証制度が利用されるようになってきたのです。

ますます強まる認証制度の存在意義

今後、こうした国際的な原材料の認証制度はますますその存在意義を高めていくと思います。エシカル消費などの広がりもあって、消費者にとっても製品を選択する際の重要な判断材料として認識される傾向が強まると思います。

企業はこうした認証制度をうまく活用することが求められます。

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